2015.10.22
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つい最近も一世を風靡したイナズマ、ウサイン・ボルトですが、シュジンは彼をいたく気に入っています。自分のルーツであるアフリカ人が大活躍、その様子が楽しくてたまらないのでしょう。
男子百メートルの決勝になって、私はシュジンに聞いてみました。
「ボルトは勝つかな?」
「あっっったりまえだよ!!!」
何をバカな質問をしているんだ、と言わんばかり、眉を吊り上げて怒り出します。そしてあれを見て!と画面を指さしました。
スタート前、スターティングブロックに足をかけたボルトは、自分の顔の正面で十字を切りました。そして人差し指で天をさして、何か言葉をつぶやきました。そのあとすぐにスタートとなり、ボルトは数秒後には一位でゴールしていました。二位と断トツの差をつけて堂々の金メダルです。
「・・・だから、オレが言ったでしょ!彼は、黒人だよ、黒人には神様がいます、神様と一緒に、試合するよ!だから、彼らたち、絶対に負けないよ!!」
シュジンは興奮して、こう早口で、まくし立てました。
シュジンの話によると、ボルトは十字を切った後に、人差し指を天に向け、神様どうか自分に力を!俺に勝たせてくれ!など神様と語っているというのです。
私は日本のことを外国人に説明する時に、こう言います。
「こと宗教に関しては、日本は極めて特異な国だと言えるかもしれません。日本人は、一生のうちの重要な場面で全く異なる宗教のイベントをいくつも経験します。幼少期は神道の儀式、結婚式ではキリスト教、そしてお葬式では仏教です。年末年始は、クリスマスを祝い、その数日後には神社で初詣です。日本人の大部分は生涯を通じて一つの宗教を信奉するということは稀です。」
そういうと相手の外国人はだいたい驚きます。日本人にとっては当たり前のことが、グローバル的にみると、これは当たり前ではないのです。
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