2015.11.3
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残念ながら、今の自分の語学能力で、当時、先生が言ったこと、その内容をスペイン語で話すことはできません。
けれども当時の私は、モニカ先生の語った内容が、一から十まですべて理解できたのです。
そしてまさかこの「どっからみても日本人」のセニョーラ(おばさま)からこれほどビシッとした訓示を受けるとは思ってもいませんでした。
この一言に、私はかなり面喰らいました。けれどもこの言葉「デハー、トド!(すべてを捨てろ!)」は私の脳裏にばっちり焼き付いたのです。そして、その後の私の人生を動かす原動力(ドライバー)の一つとなりました。
今から思うと、この「すべてをすてる」ということが、その当時の私の、心の奥底にあった願望だったのではないか、と思います。
本当は、すべてを捨てて、自分の心が望むところ、そこへ行きたかったのです。
けれども日本の常識から、それはできないと思っていました。モニカ先生はこれを引き出したのです。
まるで自分が呑み込んだ言葉、「あらゆるしがらみから逃れたい」という言葉を、私の口の中に手を突っ込んで取り出し、私の目の前にどんっと置かれた、そんな状況でした。
そしてその四か月後、私はすべてを捨てました。
仕事もやめ、家族の問題も、それ以上関わることをやめ、ラッキーなことに、うまく自分のところに舞い込んだ入学許可書を携えて、イタリアへの留学を決意したのです。
「自分の時間とエネルギーは自分のために使いたい」という捨て台詞を日本の家族に残して、逃げるようにしてイタリアへと渡りました。これが原因で姉たちとはその後不仲になりました。けれどもこの時、すべてをすててイタリアに行って本当に良かったと思っています。すべてを捨ててから十年近くたった今も、自分のしたことに、後悔はみじんもないのです。
写真はイグアスの滝、瀑布に近づく船
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