2019.3.18
今日は、従業員の定着率という英語です。
従業員の定着率を高める、と言う場合には私はこのような言い方がぴったりくるのではないかと思いました。
To enhance your employees engagement to your company,
定着と単にGoogle翻訳などで訳すとfixと言う英語やestablish, secure なども出てきます。
先日、不動産の専門家の集まりで皆さんでいろいろ議論しました。
その結果1番ぴったりくるのはあぁそうかこの単語だなと思ったのです。
それがエンゲージと言う単語です。この名詞形、エンゲージメントengagementを使っているわけです。
ちなみにこのエンゲージメントという単語もオックスフォードの辞書で引くとこのような意味が出てきます。
人の心を占有する、あるいは人を魅了するという事ですね。
会社などで一定期間従業員の心を占める、あるいは会社が従業員の心を魅了するという意味になります。
会社の事、仕事の内容が従業員の心や物理的な時間を占有していくわけです。
そしてさらに会社の仕事内容、会社での活動が従業員を魅了する、
その結果がエンゲージメント、従業員が会社に定着すると言う意味になるわけです。
専門家などをお願いするときにはエンゲージメントレターと言うのを使います。
これはどのような条件でどのようなサービスを提供してもらうのかと言う合意の種類です。ある一定のことをしてほしい、このように関与してほしいと言うことを事前に合意しておくわけです。これが従業員と会社の関係にも見られると言う事ですね。
皆さんも聞いたことがあると思いますが、「婚約」もこのエンゲージを使います。
語源を調べてみますと何かを質に入れるという事ですね。
何かのものを質に入れるので、自分がその質物をもう一度手に入れるために働いたりお金を払ったりという義務が生じます。
私の個人的な感覚ですが、ここには「契約」という意識がとても強く働いているように思います。
自分が何かを提供する。そのかわり何か与えられる。そんな関係性のような気がします。
突き詰めるとそういうことなのかもしれません。
会社は従業員に対して幸せを約束する。だから従業員も最善の努力をしてほしい。
会社に貢献をもたらしてほしい。これは基本の取引でどちらが一方的に得するようなものではないよ。
こういう考えが根本にあるのかもしれません。
一方、本当に定着率を高めると言うのは、会社の利益と個人の利益がぶつからないと言うことではないかと思います。
会社の究極の目的を個人の幸福の実現に置いている。
会社の究極の目的を達成すること、その過程の中に会社の利益を上げる、経営の成績を残すと言うことが入ってくるのかなと思います。
これが基本的な違いなんだと思います。
私には、西洋の考え方が強く反映されてると思います。
キリスト教社会のベースは、まず後、個人を認識するところから始まります。
個人を認識した上で個人を遥かに超越する存在として神がいます。
神と個人個人がそれぞれつながっている。これが西洋の考え方だと思います。
その個人個人と神様がつながる、そのベースの契約です。
新約聖書、旧約聖書この英語訳はニューテスタメント、オールドテスタメントといいます。
神と人との契約が元なのです。神は人間を作り保た。神の意向を実践するように作った。
だから人間が神の意に従って善行をする限り、神は人間に幸福を約束する、これが考え方の基本にあるのだと思います。
一方、日本のベースになっている仏教の考え方では、個を否定するのです。
個を前面に押し出してはいけない。
利他の心が仏教の根本になっていると思います。
その中では、自分と人との区別を設けず、人もまた自分であり、自分もまた人である、人の幸せの中に自分の幸せがある、
自分の存在は外を生かすためであり、自我をとり去ったところに究極の幸せがある。
これが仏教、あるいは般若心境に流れる宇宙の法理法則、自然観なのではないかと思います。
人の為を思う、これが基本になっていますから、経営者が一度事業をしようとしたら、自分よりも先に他の人なのです。
従業員のことを真剣に考えなければ、会社が救われないのです。
社長が身を粉にして働いて、人のためにと頑張るからこそ、従業員はついていくのだと思います。
日本の究極の経営学はこのような考えに基づいています。