2014.11.7
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何もかもをこうした「金儲け、だまし」の精神でみてしまうのはいけないのかもしれませんが、今回のシンガポール滞在では、前回体験できなかった「アフタヌーンティー」も体験しました。そしてこのアフタヌーンティーにも私はシンガポール人の商人魂を感じたのです。
ホテルのような装置産業は、施設をいかに稼動させるかが勝負になります。
いかにロス(無駄)をださず、施設を最大限に稼動させて、収益(フィー)をgenerate(創出)するか、これがビジネス成功のカギになるわけです。
けれども季節によって、あるいは一日の時間帯によって、施設は稼動できない時間があり、この間、収益はゼロになりますので、全体のパフォーマンスに響いてきます。稼動率をあげるとともに、経費を削減するなどの、利益に結びつく活動をしていかないとビジネス全体の成功にはならない訳です。
今回、シンガポール在住の方に、ハーバーエリアのおいしい中華に連れて行ってもらって北京ダックをご馳走になったりしたので、ここはちょっとお礼をしなければ、と思いました。どうしようかと考えていたところ、どこか評判のいいホテルでアフタヌーンティーをする、というのはどうだろう、となり、マンダリン・オリエンタルにて、アフタヌーンティーを初体験したわけです。
このアフタヌーンティーの時間帯、メニューなどをみながら思いました。
シンガポール人は、最小の資源(投資)で最大のリターンを得ることに、なんと長けた人たちなのか!ということです。
アフタヌーンティーはホテルのラウンジなどで行われています。
ラウンジは、朝は朝食、昼はランチ、そして夕方はバーとして使われるのですが、ランチの後、夕方のドリンクタイムまでの時間にかなりのインターバルがあります。人間と違って、施設自体はこの間、休みませんから、結果としてこの時間帯はお客さんが少ない収益過小の時間帯になってしまうのです。
ほとんどのホテルはラウンジをお茶も飲める喫茶店として使っているでしょうが、シンガポール人はここに一工夫加えました。アフタヌーンティーというカテゴリーを作り、呼び物になるようなメニューをだし、それなりの値段をとる、という商戦(マーケティング)を思いついたわけです。
実際コーヒーや紅茶をのむ喫茶としての使い方では、かせげる収益に限度がありますが、アフタヌーンティーにすれば一人3000円から5000円程度はします。コーヒー一杯で数時間粘られるよりも、アフタヌーンティーのコースにすれば、コースに沿って食べ物をサーブできるので回転数があがり、一人当たりに落とす額が大きくなる、というわけです。
うーん恐るべし!シンガポール人、アフタヌーンティーででたスコーンを口に入れながら、私はシンガポール人の商人魂をつらつらと考えていたのでした。