サントス達のつぶやき

2014.11.21

現代の会社とカサンドラ-ネガティブな事実を伝える人- 2聞きたくないことをあえて聞かせるカサンドラ伝説

apolon カサンドラは予言の能力をもつのですが、アポロンの求愛を断ったがために、のろいをかけられ、お前の予言(言葉)は誰も聞入れなくなる、と言われるのです。彼女は自分の民族についてこれから起こるであろう、すべての不幸を予言するのですが、不吉な内容として誰も聞き入れず、結果的には殺されてしまう・・・というストーリーです。
このギリシア神話のエピソード、実は現代社会にもそのまま当てはまります。

会社という組織を考えてみましょう。

 

yukina誰も聞きたくない内容でも、企業内でその人が経営分析、リスク管理に関わる、あるいはコンプライアンスや内部統制に関わる、そういうポジションであれば、会社のリスクに関わる内容、重大な事実は、経営サイドに突きつけなければなりません。
例えば、会社が周辺環境の変化によって赤字体質に陥っている、そうした内容は、営業サイドはひた隠しに隠そうとします。けれどもリスク管理の観点からは指摘して、トップマネジメントにわからせなければいけません。

また企業が環境問題を引き起こす可能性が高ければ、これも指摘しなければいけません。会社にとって重大な損害となる可能性があることですので、トップマネジメントはその事実が発生する可能性を知っておかなければいけないのです。

こうした重要な事実を、それが会社にネガティブな要因であっても、しっかりトップマネジメントに知らせる、その存在を「カサンドラ」と表現することもあるのです。


 

zico

会社という組織で、ネガティブ情報をあげる必要がでてきた、この状況はかなりありえますよね。

海外だと、どういう動機で海外事業をするのか、あたりの長期戦略と具体的な対策が抜けていて、短期的な日常業務に目を取られていて、ある日ふと気づくと、数十年の苦労と成果が、ここ数年で徒労に帰していた、という状況がよくあるように思います。

本来、日本の成長が望めないから海外へ、ということでなく、海外でこういう長期ビジョンでビジネスをすれば日本も/海外の進出先も御互いHappyになれる、従って中短期的には具体的にこういう策を打つべきだ、こういった提案をしてくれるカサンドラさんがいればベストなんでしょうね?


yukinaイケイケどんどん、これを英語ではaggressive と表現するのが適当かな、と思っています。M会社はイケイケどんどんで、上海で不動産をずいぶん買った、などという時は、このaggressive を使ってM company was so aggressive and purchased a lot of assets in Shanghai. などと表現できると思います。

こんな風にagressiveに行ける時はいいけれど、状況が変わっても、ビジネスとして成り立つのかどうか、このような分析、最悪のシナリオは考えておく余地がありますよね。

ただアグレッシブな雰囲気が高い中、こうしたネガティブな意見は取り入れられないですよね。

かつての第二次対戦の際、日本が負けるというシミュレーションができていた、というのも本で読んだことがあります。これはまた、べつの機会につぶやきますが。。。

 

 

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