2014.11.23
でもそれならば、そもそもカサンドラの役割はなんでしょうか?企業のトップにとって嫌なことをいう人間を排除したいのなら、イエスマンだけを身の回りにおいて自分の帝国を作ればいいのです。中国、ロシア、中南米、アフリカ、こうした国々には、現代でも非常に多くこうした状況を見てとることができます。このようなディクテイター(独裁、権利集中の絶対主義)は歴史上、昔も今も広く知られているのです。
ですが、民主政治が形なりでも行われている社会では、ディクテーターがまかり通っていたら、経済の発展、国の成長は望めません。
こうした「先進国」と言われる場所では、企業内にとっていやなことでも「自由に」表現し、不正、汚職を暴いていくことができる、その環境が確保されなければいけないのではないでしょうか?
ウィキペディアでは、アメリカ合衆国の半導体大手インテルの共同創業者、アンディ・グローブは経営戦略の転換に必要な情報を提供する者が企業には必要と考え、「カサンドラを組織に持て」と唱えたそうです。
ビジネスの成長を考えるのならば、これは極めて当たり前の発想です。
将来起こりうるリスク、最悪のシナリオについても併せて分析することができなければ、企業はやっていけません。
順風ばかりではないのです。不測の逆風や社会情勢の変化これにも備えておかなければいけません。
リーマンショック後、ビジネスの常識が覆されました。また東北大震災など自然災害からは、リスク管理の重要性が説かれるようになりました。
カサンドラの役目は、順境では見えない、こうした隠れたリスクをあえてトップマネジメントの前にさらけ出し、逆境下でも企業が生き残っていける知恵を授ける、そこにあるのだと思います。
仰る通りカサンドラはリスクを見つけ、対策を立てるための絶好の機会を与えてくれるでしょうね。
しかしながら、ギリシャ神話のカサンドラは将来を予知し、その対策が役に立たないことを知ったとき、その運命を受け入れ、いや少なくとも、来るべき将来の到来を”覚悟”をしたのでしょうか?
私は、そこもとても気になりますね。
危機予知と危機対策の先の”心構え“とでも言うのでしょうか?
それがあれば、海外の生活でもビジネスでも、ギリシャ悲劇といってノイローゼになったりせず、なんとか元気にやっていけるのでは、と思うのです。
人類5,000年の歴史に溶かして、ケセラセラ(なるようになるさ)という面も必要ということかもしれませんね。。。
そうですね、将来の危機は危機で指摘するけれども、それが受け入れられることを、人生の目的にしてはいけない、ということですよね。
例えば、現生は受け入れられなくても、後世の人達のために、文章やデータにして残しておくとか、箴言の仕方やフォームも一様ではないと思うんです。
周りを変えずに自分を変える、これ、合気道で学んだ処世術です。。。