2014.12.29
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この講座では、このような基本的な言葉の使い方、expactation (期待)がわかっただけでなく、アメリカ人が思い描く、正しいテーブルマナーというのも、垣間見ることができました。
この講座では、あるアメリカ人がビジネスランチにクライアントを招く、という前提で編集されたテーブルマナーのビデオを見せてもらいました。
これは、このアメリカ・ビジネスマンがレストランを予約するところから、一品、一品を食べていくまで、こと細かに指示されているビデオマニュアルでありました。
レストランはフレンチのようでしたが、サーブされる料理ごとにコメントとBGMが変わり、これはマニュアルを作ってそのとおりに行動することが好きな人には「持って来い」の題材でした。
たとえば、スープは音をたてずに、お皿を向こう側に傾け、スープを溜めながら、きれいにすくっていきましょう!というナレーションとともに、スープ皿に残ったスープをすくう映像が流れます。BGMはビバルデイの四季・春、という具合に、日本だったらNHK教育で作りそうなマニュアルになっていました。
「One of the biggest challenges・・・-非常に困難なことのひとつとして・・・-」というナレーションとともに、画面に出されるのはトレイに小さな専用容器とともに載せてもってこられた「ゆで卵」です。BGMはムソルグスキーの「はげ山の一夜」になっていました・・・
うーん、たしかに、こんな状況でゆで卵をだされたら、どうやって食べていいか困るかも・・とこのナレーションの妙に納得したものでした。
これはアメリカ人が考える「正しいテーブルマナー」ですので、グローバル的にみて、あるいは、ある料理の本家本元の人たちからみてどうか、という観点からには一切ふれられていません。
例えば、スパゲッティはスプーンにフォークの先をあてて、くるくると巻き取りながら食べましょう、と指導されていました。
この説明を聞いて、ほとんどの日本の方、特に女性は、うんうん、そうだよねぇ、とうなずいていらっしゃるのではないでしょうか?
日本のイタリア料理店では、スパゲッティを頼むと必ずスプーンが出され、皆さんフォークですくい取ったスパゲッティをくるくるとそのスプーンに当てて、巻き取って口に運んでいますよね?
そうそう、それが正しい食べ方でしょう?と思われるのももっともです。
ですが、イタリアに長く住み、イタリア人の酸いも甘いも知っている私としては、一言、言わせていただきたいのです。
これはNGです。誓ってもいいですが、パスタ、スパゲッティを、スプーンを使って食べるイタリア人はいません!!!
イタリア人に、このような食べ方を見られると、「ふん、アメリカ人みたい!」とバカにされるのです。