バカボンダ  世界を見た女の地球放浪記

2015.5.15

ターナーの空  3 UK滞在記

yukina

芸術家の多くはイタリアに憧れるといいます。輝く太陽、真っ青な空、色彩の感覚、美に関するセンス、魂の開放・・さまざまな点で、芸術家の命であるインスピレーションを育てる国、それがイタリアです。

イギリスを代表する画家、ターナーもその一人でありました。彼の描いた風景画は以前、横浜の美術館でみました。「曇天」としか言いようがないイギリスの空と、彼が「イタリア旅行」で描いた空のコントラストが印象的でした。

空港から市街まで電車で40分程度です。車窓の風景は田園から次第に住宅街、繁華街へと変わっていきます・・空は曇天、ロンドンについてまだ数分なのに、もうイタリアの空が恋しくなりました。雲ひとつない水色の空、夜の7時ではまだ日差しは強いはずです。ここはロンドン、太陽の光すら見えない・・そう考えると、皮膚を刺すようなイタリアの太陽が懐かしくなりました。

ロンドンでは友人宅に滞在させてもらうことにしていました。ニューヨーク、ロンドン、あのミラノでさえもホテル代はバカにならないくらい高いのです。学生の身分としてはなるべく節約したいところです。

香菜ちゃんは私の高校の同級生です。ミラノMBA生活を送るようになってから、「一体あなたの一日は何時間あるのか?48時間あるのではないか?」と言われることが度々あります。

高校時代の香菜ちゃんの生活はまさにコレでした。進学校といわれていた我が校のディマンデイング(過酷)な宿題をこなし、教科書の隅々まで暗記していた香菜ちゃんは、彼女の努力に即応したキャリア生活をロンドンで送っているのです。

日本人のフィアンセとの生活にお邪魔するのは若干気が引けましたが、何せ、身も心もイタリアンになった私です。ウェルカムと言ってくれた彼女の好意に、つけこむ?ではなく、快く甘えることにしました。

線路の両脇に紫の花があるのが目に付きました。・・ヒースだ!と何の疑いもなく思いました。夏のこの時期のイギリスには、一面のヒースがいたる所に見える・・こんな話を姉から聞いていたからです。

満員の電車が空いてきて、終点のヴィクトリア駅に近づきます。ロンドンの風物詩、川と橋、レンガの建物郡がみえました・・列車に乗り込むときは、一面の曇り空だったのに、西の方の雲が切れ、夕日が差し込んでいました。

 

これは2005年のイギリス滞在記録の抜粋です。

UK滞在記全文あるいは他国への旅行記はこちらをご参照ください。

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