2015.5.17
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映画好きの私としては、英国を語る前に、イングランドといえば・・という映画のコメントをさせていただこうと思います。事実、私は飛行機の中、電車の中・・とかつて見た映画のシーンを思い出し、イギリスってぇのは・・と思考をめぐらせていたのです。
イングリッシュ・ペイシェント
アカデミー賞までとった作品なのですが、単純に言えば不倫の話です。この作品の素晴らしいところは「アマデウス」と同様、二つのストーリーを同時展開する巧みさ、映像と音楽の妙に尽きるのではないかと思います。
しかし、今になって考えてみると、これは現代のイギリスを表しているような気がします。現代のイギリスは、リベラルという意味で今が一番膏(アブラ)がのっている国だと思います。
えぇ、またまた唐突なことを言い出した!と思われるかもしれません。
イングリッシュ・ペイシェントの主人公はハンガリー系貴族です。彼の面倒を見るカナダ人の看護婦は恋人が戦死し、イタリアの廃墟にこの病人の看病をしようと決意し、そしてそこにやってきたインド人兵士に恋をします・・・
UKはどこを歩いても人種の多様さに驚かされます。みるからに東洋人、しかも旅行者らしくスーツケースを引いている私ですら、人から道を聞かれるほどです。差別や偏見といった空気が全くと言っていいほど無いのです。
もちろん、私はアウトサイダーであり、ほんの数日滞在している旅行者です。実際この国に根を張って住んでみると、人種、民族間の深い確執にきづくのかもしれません。しかし、白人、黒人、黄色人、あらゆる肌の人が、ほとんど同じブリティッシュアクセントで話をする・・こんな光景はUKに来てみるまで想像さえもしなかったことでした。
人種と宗教、そこから発生する紛争、武力抗争・・を考慮すると、リベラルであることの困難を改めて考えさせられます。映画のラスト、「イングリッシュ・ペイシェント」という一言には現代のUKも含め意味することが非常に多いように思うのです。
今、留学するために英語を再び学び始めてから20年たってみるとこの映画のセリフの妙がわかってきました。ひとつ一つの言葉の使い方もいいです。英語表現も勉強になりますね。
これは2005年のイギリス滞在記録の抜粋です。
UK滞在記全文あるいは他国への旅行記はこちらをご参照ください。
http://yukina-s.com/global/index.html