2015.5.31
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イタリアンリバティという言葉があります。ペーズリーや花柄などリバティスタイルに憧れたイタリア人が、独自の豪奢な趣味を取り入れてイタリアンテイストで仕上げた「リバティもどき」のことです。
イタリアンリバティの代名詞、エトロというブランドは、イタリア人がリバティのペーズリー柄をこよなく愛し、イタリアンのビビットな色彩、バロック調の豪奢なニュアンスを、これでもかというほど加えて作り上げたブランドのようです。なるほど、エトロのペーズリーは微に入り細にわたり、精巧に仕上げた模様だと思えます。
エトロのペーズリー柄は鞄や財布などの小物で楽しむというやり方が定番のようです。けれどもベッドカバーやソファカバーなどインテリアとして、あるいはワンピースやコートなど普段着るような大物として生活に取り入れるというのも、これまた粋な趣味だと思います。実はミラノにはエトロのアウトレットがあって、大物の布地もリーズナブルな値段で入手することができるのです。
さて、私のエトロの楽しみ方は・・・というと、このようなペーズリーではありません。あまり知られていないのですが、高級ブランドが必ずやるように、エトロは独自の香水も出しているのです。私の知る限り、エトロのプロフーモ(香水)は、日本では発売されていないようです。空港の免税店にもありません。あるのはミラノのブランド通りに近いエトロの香水専門店のみ、のようです。
20年前?イタリアにかぶれた頃から、私のお気に入りのエトロの一香水(申し訳ないが香水の名前は明かせないのですが・・・)を、ここ、ミラノのエトロ香水専門店で買うようにしています。
自分で言うのも、ちと妙ですが、とても私を象徴する香りような気がして、私はとても気に入っています。日本にいた時は、一年を通じてこの香水を使っていました。ですが、イタリアで夏を過ごすようになってからは、バカンス用として、夏には肌にまとわりつく香りを身に付けるようになりました。 愛用のエトロは夏のバカンスの太陽の下では、余りにも早く飛んでしまうのです。
さてさて、私は今、ロンドンにいます。湿度は少なく、8月の気温は涼しく、とても過しやすいのです。引越しの途中でもあるので、エトロのボトルをスーツケースに入れて持ち運んでいます。バカンス用の香りはバカンスの国で・・と思い、イタリアに置いて来ました。
ここロンドンで、数ヶ月ぶりにエトロを身に付けました。さわやかであるのに、微かに甘く、フルーティかつフローラルな芳香が空気に馴染んでいきました。イギリスと好相性なのでしょうか、イングリッシュティーがここの水に合うように、エトロもリバティの本場でエナジーを得たように思いました。
久々のエトロは、私からバカンス気分を引き抜いて、キャリアスピリットを吹き込んでくれました。心臓と髪から漂うエトロの香りを味わいながら、スーツを着込みヒールのある靴をはいて、私は地下鉄駅に向かいました。
これは2005年のイギリス滞在記録の抜粋です。
UK滞在記全文あるいは他国への旅行記はこちらをご参照ください。
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