リヤカーの荷台の少女‐８留学生、世界に！

サラリーマンの頂点を極めた女日本一幸せなサラリーマン

2015.8.1

私は商人の家に生まれました。

といっても大きな商家というわけではありません。

祖父の代から始めたガソリンスタンドを両親が手伝っていたのです。とうちゃん、かあちゃん、じいちゃんの「三ちゃん」経営でした。

毎日毎日お店を閉める夜の八時頃には、スタンドの中に雑然と置かれた備品、タイヤやホース、オイル缶などを、二つ車輪がついた荷台車、リヤカーに乗せて、父が片づけていました。

私はこのリアカーの荷台に乗って、父に引っ張られながら、当時とてつもなく広いと思ってたガソリンスタンドの中を探検するのが大好きでした。洗車機の中も、ピット室も子供の好奇心を掻き立てるのは十分エキサイティングだったのです。

ぐるりとスタンドを回って最後に交差点の近くに出した看板をかたづけます。歩道に設置したガソリン○○円のたて看板の上をずーっと空の方に見上げると、黄色地に赤で縁取られたホタテ貝が燦々と明るい光を放っていました。うちのスタンドはシェルのフランチャイズだったのです。

シェルがローヤルダッチシェルというオランダの会社であるということは高校生の時に父から聞いて初めて知りました。その時は、オランダという国も、オランダ人というものにもそれほど明確なイメージはありませんでした。ヨーロッパの中の一つの国、程度の認識しかなかったのです。

子供の頃、リヤカーから見上げたシェルの国を、将来こんな風にオランダというものを、日々意識して暮らすようになるだろう、とはまさか夢にも思わなかったのです。

写真はドイツマーケットのパン屋さん！

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これは2005年のMBA体験談の抜粋です。奮戦記です

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