2015.8.5
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ミートのオフィスはレクチャールームと呼ばれていました。彼自身が大学で教鞭をとり、学生たちに不動産投資論や評価論を教えていたせいでしょう。
黒板ならぬホワイトボードがあり、そこに入った部下たちは彼のレクチャーを受けるように、ミートの理論を頭の中に刷り込まれてしまうということでした。さしずめここは寺子屋とでも言えるのでしょうか?
最初にフランクフルト郊外にある本社を訪れたのは六月の末頃でした。六月のヨーロッパは日が長く、日本のようなジメジメとした梅雨が無くてカラッとしています。夕方7時か8時頃になってもまだ外が明るく、窓から見える青空が美しくガラスから見えました。外の気温は三十度を超えていたでしょうか?金曜日の夕方ともなると、みんな5時前に仕事をきり上げ、ビールを飲みに行ったり、週末のアクティビティに向けて早々に準備しに行ったり、オフィスは閑散としていました。私は日本とやりとりしなければならないことが山積みになっていたので、7時近くになってもオフィスに残ってEmailを送ったり、エクセルの計算フォームをチェックしたりしていたのです。
その時、私のオフィスにひょっこりと顔を見せたのがミートでした。
ミス・サントス、今時間はありますか?
彼にこう聞かれた私は迷わずイエスと答えました。ミートは彼のオフィスで少し鑑定についてディスカッションをしようといいました。もともと評価という仕事が私のコア、主たる業務ですから、私は喜んでミートについていきました。
ミートの質問はなるほど当を得て、とても鋭いものでした。日本の基本的な制度をまず理解したうえで、それではこの場合はどうなるのだろうか?このような状況と、今の説明にあった状況はどう区別していくのか?それであるならば、こうした問題がでてくるはずだが、日本ではどう処理しているのか?極めて実務的、そして高度な質問が次から次へと投げかけられました。
動画は歌舞伎の寺子屋
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これは2005年のMBA体験談の抜粋です。奮戦記です
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