2015.9.25
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生きることは痛み、そのお話は前回しました。
そして黒人達にとって音楽がいかに大切か、これもお話しました。
過酷な労働に従事する、ほんの10分の1の程度の力で、黒人たちは太鼓を叩くことができるのです。黒人達は、彼ら独自のリズムを生み出し、それを使って神に捧げる旋律を作り上げるのです。聞く人々の背骨に浸透するような、ズンズンと響く独特のリズム・・・ジャズ、サンバやレゲエなど、世界の音楽のメインテーマとなるリズムはこうして、いとも簡単に黒人たちによって作られていったのでしょう。
かれら黒人にとっては、音楽は生きることであり、呼吸をするように自然なことなのです。
朝起きてから寝るまで、シュジンはいつも音楽を聞いています。
どうして毎日そんなに音楽を聴いているの?と尋ねたら、
「Music is life!!!」と怒ったように答えました。
何をそんな、当たり前のことを!! と言わんばかりの顔でした。
踊りや音楽はブラジルの心そのものとも言えるでしょう。かれらは自分の血(サングエ)の中に、この踊りや音楽の能力を持っているのです。
それは不幸な歴史から黒人たちを守る、神様からの恩恵、「恵み」でした。神様は、黒人たちが痛みを忘れられるように音楽と踊りをくれたのです。
こう考えることによってブラジル人はペイン(痛み)だらけのこの世の中を生きていくことができたのです。
こうしたサバイバルの発想そのものがジンガの魂です。そしてその黒人達の魂が、現代のサンバやダンスに生き続けているのです。
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