2015.9.28
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ここで重要なのは、即興ということです。日本のアシェーダンスは、ステップや体の動きなど振付がすでに決まっています。けれども、それではアシェーの楽しさが100パーセントわかる、とはいえないでしょう。
アフロの音楽は黒人たちが、自分がもつ信条、信念をベースにして、その時の自分のフィーリングと、神様に対する感謝などのスピリットを組わせて表現していくものです。
こうした音にならないものを、太鼓を中心とした打楽器の力強いリズムで表現していくのです。人間の感情は刻々変化します。
また我々を取り巻く環境も、一瞬、一瞬、変わっていくものです。ですからアフロ音楽は決まったパターンよりも、即興性を大切にしているのです。私は音楽の専門家ではありません。
ですが、どうやらこれは他の音楽にも共通して言えることのようです。すでに作られたパターンよりもその場のフィーリング、直感で作った曲の方が、はるかに素晴らしいものができます。
神様が乗り移ったのか?と思うほどの天才的な旋律が人を心から感動させる、こうしたことは、即興の中に隠れているのかもしれません。
映画「アマデウス」の中に、このようなシーンがあります。宮廷のおかかえ音楽家サリエリが皇帝のために、曲を作って披露します。
その場面にモーツアルトが現れ、その「皇帝にささげる曲」を一度聞いただけで、すぐに覚え、逆に自分の即興でアレンジして、その場で弾いていきます。
モーツァルトの即興の方が、サリエリのオリジナルよりもはるかに素晴らしいものだったのです。皇帝は大喜び、顔色を失うサリエリを残し、モーツァルトはヒャッヒャッヒャッと下品な笑いと共に去っていく・・・とても印象的なシーンです。
この即興こそがジンガです。