英語難民と英語貴族

2020.1.23

電気自動車日本ブランド不振の理由

今日は、京セラフィロソフィー10条、から始まって、電気自動車の勝ち組、負け組、そして不動産業界の独創性を考える、この日本語を皆さんにご紹介します。

英文はシンプルに作ります。

ぜひチャレンジしてみてください。

第10条 常に創造的な仕事をする―今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。

創意工夫を重ねる―

現在の自分の能力で、できるできないを判断していては、新しいことなどできるはずがありません。「今はできないものを何としてもやり遂げたい」という強い思いからしか、創造的な事業、創造的な企業が生まれることはないのです。 強い思いのもと、日々連綿と重ねる絶えざる創意工夫の道の先にこそ、創造的な事業があり、独創的な企業が存在します。

先日、読んだ中島聡氏の記事を引用します。

https://www.mag2.com/p/news/mag_author/0001323030

「Amazonやテスラに大敗。業界大手が新規参入者に負け続ける理由」

同様なことが、2000年代の後半に携帯電話業界に起こりました。iPhoneが誕生した時、既存の携帯電話メーカーの人たちは、ボタンがない電話機など使い物にならない、あんなものは作ろうと思えばいつでも作れると否定的でしたが、結局、軒並み淘汰されてしまいました。

2020年の現在、全く同様なことが自動車業界で起こりつつあります。自動車業界では、何年も前から、これからはCASEの時代だと騒いでいます。

  • C:Connectivity(ネットへの接続)
  • A:Autonomous(自動運転)
  • S:Shared Economy(所有せずに、必要に応じて使う時代)
  • E:Electric(電気自動車)

にも関わらず、既存メーカーの動きは非常に遅いのです。

GMは、EV1という時代を先取りした電気自動車を1996年に発売しましたが、これはあくまでカリフォルニア州の厳しい規制(ZEV:Zero Emission Vehicle)に対処するものではなく、ロビー活動によりその規制を封じ込めると、さっさと市場から撤退してしまいました(2003年)。

日産は、(話題のゴーン氏の肝いりで)リーフという電気自動車をいち早く発売し(2010年)、一時は、世界で最も売れている電気自動車でした(すでに40万台を出荷しました)。しかし、なかなか利益を生み出さないという理由からその後の積極的な投資が出来ず、今や市場での存在感を失くしつつあります。

トヨタ自動車も、一時はTeslaに出資し、電気自動車を発表しましたが(2010年のRAV4 EV)、全く本気でやる気はなく、すぐにTeslaとの提携も解消してしまいました。Toyotaは最近になって、ようやく電気自動車に本気になり始めたように見えますが、未だに「電動化(ハイブリッドを含む)」などという中途半端な言葉を使っている状況で、フルコミットは出来ていません。

そんな中で、結局、世界の電気自動車業界をリードする立場になったのは、新規参入のTeslaでした。「なぜ電気自動車なのか」「なぜ自動運転が重要なのか」という本質を理解している創業者がCEOをしているため、物作りの姿勢が根本的に違うのです。

私自身もTeslaを所有してようやく理解できましたが、Teslaは「電気で動く自動車」ではなく、「駆動能力を持ったコンピュータ」なのです。これは、ガラケーが「ブラウザ機能を搭載した携帯電話」だったのに対して、iPhoneが「携帯電話の機能を持ったコンピュータ」であったのと同じで、設計思想から違うのです。 私は、長年、自動車メーカーの人たちと仕事をしてきましたが、この「Teslaは設計思想から根本的に違う」という部分がどうしても通じないのでとても苦労しました。結果として、未だに、縦割りの組織でものを作っているし、ソフトウェアの開発は仕様書だけ書いて下請けに丸投げしています。

ここまで引用

文中大切なところは赤でハイライトさせていただきました。

これを私の関与する不動産業に置き換えてみたいと思います。

家や事務所がコンピューター機能をもっている

ではなくて、

居住の快適性・安全性や仕事効率性を発揮できる空間をもったコンピューター

ということになります。

確かにこう考えると自動車の発想と同じで、どういうインプットが必要で、どのようなアウトプットが必要かが、おぼろげながらわかってきます。

二酸化炭素量や、採光量、耐震性など物理的な指標だけではなく、いわゆる人間が幸福や快適をもとめる指標、アルファー波の状態やアドレナリンの分泌量など?の測定と環境の因果関係が必要になります。

さらには、これをどうやって管理するのか?これも注目する要素になると思います。

これを実現するには、途方もなく大変な作業ではないかと思いますが、これからは不動産が動産、うごく財産のように扱われる時代も、そう遠くないのではないかという気もします。

このフィロソフィーの常に独創的な仕事をする、ということは、このように事象の根本を考えて、既存のやり方とは全く違うアプローチをする、ということではないかと思いました。

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