2014.12.8
私がこのような映画の勉強の仕方をお話すると、たくさんの方が驚きます。
そして私に言うのです、えぇ、映画のセリフなんて覚えられないよ!絶対にムリ!
ただ一生懸命見るだけではダメなんですか?
このような質問にはハッキリお答えさせていただきます。
映画を流してみているだけでは、絶対に英語ができるようにはなりません。
日本語字幕で見ていれば、相手が話している英語に考えが及ばないのです。
だれでも自分の話し慣れている、聞きなれている日本語で、イチから10まで話の内容を説明してもらえれば、これほど楽なことはないでしょう。
何も苦労して、わからない英語で理解する必要は無いのです。
それでも、英語で理解しよう、映画で使われている元の言語でその映画を見てみようとする、そのアクションには二つの意味があります。
一つ、英語という言語を実際に使われている現場で、実際の使い方・実例を通して勉強する。
二つ、オリジナルの表現方法を通じて、そのセリフの本当の意味合い、その映画が作られた社会の文化的背景、価値観を知る。
このようなことができるので、みんな映画を原語で見るのです。
例えば、先のマトリックス、赤と青のカプセルのシーンですが、これはただ聞き流しているだけでは見につきません。
自分で暗記してみて初めて、文章の構造、英語らしい文章の作り方に触れるのです。
そしてこうして身につけた英語表現はいくらでも応用がききます。
外国人をレストランに連れて行って、”You eat whatever you want to eat. ” と言えば、「お好きなものを何でも食べてください」という意味になります。バーに行ったとき、”You can drink whatever you want to drink” と話しかければ、お好きなものをどうぞ飲んでください、と言うことになります。
これは前記マトリックスの” You believe whatever you want to believe “というセリフの応用だということは、もうお分かりですね。
「不思議の国のアリス」の内容を使って、” you stay in Wonderland and I show you how deep the rabbit-hole goes.‐お前は(アリスの)不思議の国に留まるのだ、お前にウサギの穴がどれほど深いか見せてやろう” と言っているのです。
これもこの文型、言い回しをそのまま使って、”I show you how beautiful the sea is !‐あなたにその海がどれほど綺麗かおみせします。‐”と言って外国からのお客さんに沖縄の綺麗な海を見せることもできます。
”I show you how exiting the place is! ‐その場所がどれほど心おどる楽しい場所かお見せします‐ ” と言えば、原宿竹下通り、東京スカイツリー、横浜中華街など観光地として知れたところに、海外からのお客さんを案内するときに、自分の思いを表現できるのです。
映画で使われている表現は、実際に生きた英語表現です。
どういうシチュエーションでどういう感情を述べる時に使うのか、じっくり味わいながらセリフを覚えてください。
いったん覚えたセリフはすぐに忘れてしまってもかまいません。このセリフの暗唱を繰り返しているうちに、むかし覚えた内容を思い出すのが容易になってきます。
そして外人をレストランやバーにつれていく、観光地につれていく、こんなときに、ふさわしい言葉がスラスラと出てくるようになるのです。
映画は、生きた英語を学ぶ素晴らしいテキストである、これを念頭において、どうぞ暗唱を続けてください。